1990年代の著名なフライフィッシャー、建築家でありデザイナーのAri T Hartが創り出した希少ティペット・ディスペンサーです。フライフィッシング界の鬼才として知られたアリ・ハートがデザインするフライフィッシング用リールは、90年代の秀逸なデザインとして認められ、ニューヨーク近代美術館に収蔵されました。 まだアナログと言われる時代、精巧なアルミ金属の削り出し及び加工技術を応用した先進的デザインは、同年代のフライフィッシャーは驚きを持って迎えました。現在ではプラスティック成形技術等の進化により、より精巧に軽く作られたティペットスプールは使いやすく、デザインも洒落たものになっていますが、このティペット・ディスペンサーは金属の重厚な質感に、そのデザインはアナログ・レコード的な味わいが伝わり、当時はフライフィッシングの優雅さを感じたものです。但し、ティペットを装填するには、4枚あるスプールごとに手巻きし、画像のように縫い針を使って、1スプールごとにセットする必要があり、手間が掛かります。あえて言うなら優雅な時間を楽しむための小道具でしょう。実際、自分でもフィッシングへの持ち出しは限られました・・・?現在では入手不可能の逸品です。疑問、質問等承ります。